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経営業務の管理責任者(経管)の要件とは?

2021/09/02 更新

経営業務の管理責任者(経管)の要件とは?

1.「経営業務の管理責任者」(経管)の要件とは?

「経営業務の管理責任者」(経管)とは、常勤役員等(法人の常勤役員、個人事業主またはその支配人)です。
許認可で技術的な要件はよくありますが、経営経験を要件とするのはあまりありません。

建設業は、工程管理や資金繰り、労務管理などの経営管理が重要です。
もし倒産をしてしまうと、施主に与える悪影響が計り知れないためです。
建設業は、消費者保護の必要性が強い業態です。

1人体制の経営業務の管理責任者

スタンダードなのは、1人体制の経営業務の管理責任者です。

  1. 建設業に関し、5年以上の「経営業務の管理責任者としての経験」があること
  2. 建設業に関し、経営業務の管理責任者に準ずる地位として、5年以上経営業務を管理した経験があること(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る)
  3. 建設業に関し、経営業務の管理責任者に準ずる地位として、6年以上管理責任者を補助する経験があること

1.建設業に関し、5年以上の「経営業務の管理責任者としての経験」の場合

経営業務の管理責任者としての経験は、対外的に責任を負う地位にあって、経営業務の執行等建設業の経営業務について総合的に管理した経験がある者です。

必要な経験年数は5年で、業種ごとに区分する仕組みは廃止されました。
法人の場合は、取締役、執行役などとして登記されていなければなりません。
あるいは、取締役会から建設業の経営執行に関する具体的な権限移譲を受ける必要があります。

個人事業の場合は、事業主本人または登記された支配人である必要があります。

2.建設業に関し、5年以上の「経営業務の管理責任者に準ずる地位」の場合

準ずる地位とは、役員等に次ぐ職制上の地位にあって、取締役会から建設業の経営執行に関する具体的な権限移譲を受けた者です。
以下のすべての条件を満たせば、経管として認められる可能性があります。

  1. 組織図などにより、執行役員等は取締役に次ぐ職制上の地位であることが確認できること
  2. 登記事項証明書などにより、申請者が取締役会設置会社であることが確認できること
  3. 取締役会議事録などにより、執行役人等が取締役会の決議を経て特定の事業部門に関して業務執行権限の移譲を受ける者として選任されていること
  4. 取締役会の決議した業務執行に従い、代表取締役の指揮命令のもとに業務執行を行うものであることが確認できること
  5. 業務分掌規程などにより、業務執行を行う特定の事業部門が建設業に関する部門であることが確認できること
  6. 人事発令書などにより、執行役員などの氏名や就任していた期間が確認できること

必要な経験年数は5年です。
取締役会によって定められた業務執行方針に従い、代表取締役の指揮及び命令のものと、具体的な業務執行に専念しなければなりません。

3.建設業に関し、6年以上の「経営業務の管理責任者を補助する地位」の場合

建設工事の施工に必要とされる資金の調達、技術及び技能者の配置、下請業者との契約の締結などの経営業務全般について従事した経験です。
これらの経験がある場合は、経管として認められる可能性があります。

法人では職制上の地位にある部長等、令3条使用人に次ぐ職制上の地位にある副支店長や営業所次長などが該当します。
ただし公的な証明が存在しないため、条件で申請することは、難しいと言わざるを得ません。

個人の場合は、事業主の配偶者や子息が対象です。
ただし確定申告書の専従者欄に氏名と給料が記載されている必要があります。

事業主の配偶者や子息を、個人事業主の支配人として登記しておく方がベターでしょう。
支配人登記をしておけば、5年で経管の要件を満たすためです。
ただし対外的には、個人事業主と同等の責任を負うことになります。

2人以上体制の経営業務の管理責任者

建設業での経営経験が5年以上ないという悩みに応えるのに、別の方法があります。

  1. 建設業の役員経験が2年以上 +
    建設業の役員等に次ぐ地位での経験を合わせて5年以上 +
    許可を受ける会社で、5年以上の財務管理・労務管理・運営業務の経験がある方が在籍している
  2. 建設業の役員経験が2年以上 +
    別の業種での取締役経験を合わせて5年以上 +
    許可を受ける会社で、5年以上の財務管理・労務管理・運営業務の経験がある方が在籍している

建設業で「人事部長としての3年間の経験」と、「取締役としての2年間の経験」を合わせて5年の経験があるとします。
あとは、自社で5年以上の経験を有する常勤社員から、財務管理・労務管理・運営業務を直接補佐してもらうことで、経営業務の管理責任者の体制を確保することが出来ます。
財務管理・労務管理・運営業務の補佐は、1人でも兼務可能です。

また「飲食店で取締役としての3年間の経験」と、「建設会社で取締役としての2年間の経験」を合わせて5年の経験があるとします。
あとは、自社で5年以上の経験を有する常勤社員から、財務管理・労務管理・運営業務を直接補佐してもらうことで、経営業務の管理責任者の体制を確保することが出来ます。
財務管理・労務管理・運営業務の補佐は、1人でも兼務可能です。

役員経験は、個人事業にも適用されます。

2.なんとか経管の要件を満たすには?

「経営業務の管理責任者」の要件の経験では、過去に建設業許可を持っていることは要件になっていません。
そのため、許可を必要としない軽微な工事だけを行っていた建設業者での経営経験でも認められます。
経管としての5年間という要件を満たさない場合、軽微な工事のみを行い5年間を経過するのも手です。

ただし許可がないのに、許可が必要な請負金額の工事の契約書で証明することはできません。
無許可営業であることを自ら言っているものであり、許可行政庁は経験として認めてもらえません。

また経管の要件を満たすものを迎え入れることにより、要件を満たすことができます。
個人の場合でも、要件を満たすものを迎え入れて、支配人登記することにより要件をクリアできます。

ただし名義貸しはできません。
名義貸しが発覚して許可取消処分を受けたら、代表者だけでなく在籍していた全ての役員は、以後5年間建設業の営業はできません。
別法人で、許可申請することもできません。

3.経営業務の管理責任者の交代要員はどうするの?

経営業務の管理責任者がいなくなると、許可要件を満たさなくなるため許可取消処分になります。
そのため交代要員を育成しておくことは、とても重要なことです。

大きい会社だと、常勤の取締役も多いため、安心ではあるでしょう。
ただし許可要件を無視した人事異動で、経管の要件を欠くことには注意が必要です。

個人事業や小さい会社だと、経管が欠けることは廃業の危機に立たされます。
対応策としては、以下のとおりです。

  1. 後継者を、取締役として登記しておく
  2. 個人事業主の親族等を、支配人登記しておく
  3. 個人事業から法人化し、後継者を取締役として登記しておく
  4. 個人事業主の親族を専従者として相当額の給与を与え、青色申告決算書の専従者給与の内訳欄に記載しておく

4.役員経験がある方を、迎えるときの注意事項は?

建設業許可を取得するために、他の建設会社で取締役だった方を迎え入れて、経営業務の監理責任者の要件を満たして建設業許可を取得することがあります。

大阪府知事許可では、一月あたり10万円以上の役員報酬が支払われている常勤の役員である必要があります。
常勤で働くため、毎日通勤ができない遠方に住む方は認められません。

また経営業務の管理責任者は、出向社員でも条件付きでなることは可能です。
所属建設業者との間で、直接雇用でなければならないという規定はありません。
役員と会社の関係は委任契約ですので、雇用関係は求められていません。

ただし出向先では、「常勤」でなければなりません。
出向先の取締役であるため、取締役に就任して登記する必要があります。
また保険証の書換えも必要です。

経営業務の管理責任者に就任するのに苦労するのが、経営経験の年数が足りる書類を揃えることです。
他社での経営経験者を取締役に迎える場合は、前職の証明者に協力を得られるかどうかという問題です。

建設業許可を受けた建設会社で、経営業務の管理責任者だった場合
  1. 経営業務管理責任者に就任した時の建設業許可申請書、または変更届
  2. ※受付印あり、及び経験年数分の常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書(様式第7号)

建設業許可を受けていない建設会社で、取締役経験の場合
  1. 法人税の確定申告書(別表一・決算報告書・役員報酬手当及び人件費等の内訳書)
  2. ※経験年数分

  3. 建設工事の①契約書 ②注文書 ③請求書のどれか
  4. ※経験年数分、工事同士が12か月以上空かないように

  5. 履歴事項全部証明書・閉鎖事項全部証明書

個人事業で建設業を営んでいた場合
  1. 所得税の確定申告書(第一表)
  2. ※経験年数分

  3. 建設工事の①契約書 ②注文書 ③請求書のどれか
  4. ※経験年数分、工事同士が12か月以上空かないように

建設業許可を受けた建設会社で、経管ではない取締役だった場合
  1. 建設業許可申請書、または変更届
  2. ※受付印あり、及び経験年数分の常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書(様式第7号)

  3. 建設業許可通知書
  4. ※経営年数分

  5. 決算変更届(直近分)
  6. ※受付印あり

  7. 履歴事項全部証明書・閉鎖事項全部証明書

経営経験の証明は、前職の決算書、契約書、建設業許可申請書の副本などを貸してもらう必要があります。
元個人事業主や親族の職場であればよいのですが、そうでなければ難しい可能性があります。

そのため取締役に就任してもらう前に、前職から書類を借りることができるかどうかを確認してもらった方が良いでしょう。

5.まとめ

うなずき

経営業務の管理責任者(経管)の要件について、
まとめてみました。

  1. 経管の要件でスタンダードなのは、建設業に関し5年以上の「経営業務の管理責任者としての経験」があること
  2. 経管の要件を満たさなくても、要件を満たすものを迎え入れることでクリアできる
  3. 経管の交代要員を育成しておくことは、廃業しないためにも重要である
  4. 役員経験がある方を迎え入れるためには、前職の証明者に協力を得られる必要がある

経営業務の管理責任者の要件では、多くの疎明資料が必要となります。
そして他にも、複雑な要件をクリアしていかなければなりません。

大阪府の建設業許可申請でお困りの場合は、専門家視点でお手続きを当事務所は代行いたします!


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