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建設業許可・経審・産廃収集運搬許可・古物商許可

建設業許可の6つの要件とは?

2021/08/22 更新

建設業許可の6つの要件とは?

1.「経営業務の管理責任者」はいますか?

最も要件が厳しいのが、「経営業務の管理責任者」(通称「経管(けいかん)」)の年数不足です。
要件が過度の負担になっていたため、「経営業務の管理責任者の要件」が令和2年10月に緩和されました。

建設工事は、内容に応じた施工管理を適切に行うことが必要であるため、適正な建設業の経営を行うために「経営業務の管理責任者」が要件になっています。
事業所全体を管理する必要があるため、原則として本店に常勤する必要があります。

1人体制の経営業務の管理責任者

スタンダードなのは、1人体制の経営業務の管理責任者です。

  1. 建設業に関し、5年以上の「経営業務の管理責任者としての経験」があること
  2. 建設業に関し、経営業務の管理責任者に準ずる地位として、5年以上経営業務を管理した経験があること(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る)
  3. 建設業に関し、経営業務の管理責任者に準ずる地位として、6年以上管理責任者を補助する経験があること

法人の場合は役員(常勤)の中に、建設会社の役員(常勤)としての経験が5年以上あればOKです。
個人事業の場合は、個人事業主が5年以上の経営経験があればOKです。

5年間の経営経験は、連続して5年間同じところで経験がある必要はありません。
他社での役員経験や、個人事業主としての経験等、通算で5年以上あれば要件をクリアできます。

営業所長や支店長でなくても、副支店長や部長でも経営業務を管理した経験を有する者は「経営業務の管理責任者に準ずる地位」があると扱われます。
ただし、副支店長・部長が経営業務を管理したことがあるかの証明は難しいと思われます。
そのため、経営業務を管理したことがなくても、準ずる地位にある者が6年以上経営を補助をした経験があれば、経管としても良い規定が設けられています。

2人以上体制の経営業務の管理責任者

建設業での経営経験が5年以上ないという悩みに応えるのに、別の方法があります。
ただし、許可を受ける会社自体で5年以上、建設業を営んでいることが必須です。

  1. 建設業の役員経験が2年以上 +
    建設業の役員等に次ぐ地位での経験を合わせて5年以上 +
    許可を受ける会社で、5年以上の財務管理・労務管理・運営業務の経験がある方が在籍している
  2. 建設業の役員経験が2年以上 +
    別の業種での取締役経験を合わせて5年以上 +
    許可を受ける会社で、5年以上の財務管理・労務管理・運営業務の経験がある方が在籍している

建設業で「人事部長としての3年間の経験」と、「取締役としての2年間の経験」を合わせて5年の経験があるとします。
あとは、自社で5年以上の経験を有する常勤社員から、財務管理・労務管理・運営業務を直接補佐してもらうことで、経営業務の管理責任者の体制を確保することが出来ます。
財務管理・労務管理・運営業務の補佐は、1人でも兼務可能です。

また「飲食店で取締役としての3年間の経験」と、「建設会社で取締役としての2年間の経験」を合わせて5年の経験があるとします。
あとは、自社で5年以上の経験を有する常勤社員から、財務管理・労務管理・運営業務を直接補佐してもらうことで、経営業務の管理責任者の体制を確保することが出来ます。
財務管理・労務管理・運営業務の補佐は、1人でも兼務可能です。

役員経験は、個人事業にも適用されます。

経営業務の管理責任者(経管)の要件については、「経営業務の管理責任者(経管)の要件とは?」のページにてまとめています。

2.営業所ごとに「専任技術者」はいますか?

「経営業務の管理責任者」同様に、「専任技術者」(通称「専技(せんぎ)」)の要件も厳しいです。
資格者または実務経験者を、営業所ごとに専任技術者を置くことが求められます。

専任技術者は、許可業種についての工事内容を理解し、工事請負契約の締結及び施工を適切に行うために営業所に常勤します。
許可業種の専門的な知識を有する必要があるため、許可を受ける業種に対応する専任技術者が必要です。

専任技術者の要件は、一般建設業許可と特定建設業許可では異なります。
一般建設業許可の資格要件は、以下になります。

  1. 取りたい業種に関連する国家資格を持っていること
  2. 取りたい業種の実務経験が10年以上あること(電気工事・消防施設工事は国家資格が必要)
  3. 取りたい業種に関連する大学卒業 + 実務経験3年以上あること
  4. 取りたい業種に関連する高校卒業 + 実務経験5年以上あること

特定建設業許可の資格要件は、以下になります。

  1. 取りたい業種に関連する1級国家資格を持っていること
  2. 一般建設業の要件 + 指導監督的実務経験者(元請として4,500万円以上の工事について2年以上の指導監督的な実務経験があること)
    ※指定建設業(土、建、電、管、鋼、舗、園)については、認められません。
  3. 大臣が認定したもの

専任技術者の目的は、営業所の許可業種ごとの技術力を確保することです。
現場に出るのではなく、営業所での仕事に専念する必要があります。

専任技術者(専技)の要件については、「専任技術者(専技)の要件とは?」のページにてまとめています。

3.「財産的基礎」はありますか?

建設工事には、資材の購入や労働者の確保、機械器具等の購入など、一定の資金が必要です。
資金が無いと手抜き工事になったり、工事の途中で会社が倒産してしまいます。
工期も長期化することが多く、発注者保護の観点で、財産的要件は大事な要件の1つです。

一般建設業許可と特定建設業許可では、財産的基礎の要件は異なります。
一般建設業許可の要件は、以下のいずれかに該当する必要があります。

  1. 直前の決算において「自己資本」の額が、500万円以上あること
  2. 金融機関の預金残高証明書で、「500万円以上の資金を調達する能力」があること
  3. 過去5年間許可を継続して営業した実績があること

「自己資本」とは、法人では貸借対照表の純資産合計の額です。
個人では、期首資本金、事業主借勘定及び事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除した額に、負債の部に計上されている利益保留性の引当金及び準備金の額を加えた額です。

建設会社を設立する際に、資本金を500万円以上にした方が良いのは、残高証明書を取得する手間を省くことが出来るためです。

決算書で自己資本が500万円に満たなかった場合は、「金融機関が発行する500万円以上の預金残高証明書」を準備することになります。
通帳のコピーではなく、預金残高証明書が必要になります。

一般建設業の更新では、5年間倒産することなく営業出来たので、財産的要件を満たしているとみなされます。

特定建設業許可の要件は、以下のすべてに該当する必要があります。

  1. 「欠損の額」が、資本金の額の20%を超えていないこと
  2. 「流動比率」が75%以上であること
  3. 「資本金」の額が2,000万円以上あり、かつ自己資本の額が4,000万円以上あること

特定建設業許可は、財産的要件も厳しくなっています。
5年毎の更新時にも、財産的要件に適合するかの審査があります。

「欠損の額」は、法人では貸借対照表の繰越利益剰余金が負である場合に、その額が資本剰余金、利益準備金、その他の利益剰余金の合計額を上回る額です。

「流動比率」は、流動資産を流動負債で除した数値に100を乗じた数です。

「資本金」とは、法人では株式会社の払込資本金、持分会社の出資金額です。
個人では、期首資本金のことです。

「自己資本」は、一般建設業と同じく、法人の場合は純資産合計額が4,000万円以上です。
個人事業の場合は、期首資本金 + 事業主借勘定 + 事業主利益 = 4,000万円以上です。

財産的基礎は、財務諸表でまず確認します。
決算を迎えていない新規会社も、創業時の財務諸表で判断されます。

特定建設業許可で、申請直前の決算における財務諸表で「資本金」のみ要件が満たされていない場合、許可申請までに増資して要件を満たせばOKです。

4.「誠実性」があり「欠格要件」に該当していませんか?

建設業許可を受ける方は、「誠実性」があることが必要です。
「誠実性」とは、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがないことです。
誠実性の対象範囲は、以下のとおりです。

  1. 申請を行う法人及び法人の役員等
  2. 令3条使用人
  3. 個人事業主
  4. 個人事業主の支配人

「不正な行為」とは、請負契約の締結又は履行の際における詐欺、脅迫、横領等法律に違反する行為です。
「不誠実な行為」とは、工事内容、工期による損害の負担等を請負契約に違反する行為です。
以下に該当する場合は、誠実性が認められないため許可されません。

  1. 請負契約の締結または履行の際に、詐欺、脅迫、横領など法律に違反する行為
  2. 工事内容、工期、天災等不可抗力による損害の負担などについて、請負契約に違反する行為
  3. 建築士法、宅地建物取引業法で、不正または不誠実な行為を行ったために免許などの取消処分を受けて5年を経過しない場合

誠実性の要件は、何の問題も起こさずに建設業を営業していれば、要件はクリアするでしょう。

欠格要件は、暴力団排除の徹底を目的としています。
対象範囲は、取締役や執行役だけでなく、相談役や顧問、議決権5%以上の個人株主など拡大しています。
経営陣に該当者がいたら、新規許可はもちろん、更新時の要件確認では許可の取消しになります。
欠格要件の対象範囲は、以下のとおりです。

  1. 申請を行う法人及び法人の役員等
  2. 令3条使用人
  3. 総株主の議決権の5%以上を有する株主
  4. 個人事業主
  5. 個人事業主の支配人
  6. 法定代理人
  7. 法定代理人の役員

執行役員、監査役、会計参与、監事及び事務局長等は役員等には含まれません。
ただし、取締役と同等以上の支配力を有する者は役職を問わず含む場合があります。

個人事業主の場合は、「個人事業主」「令3条使用人(支配人及び営業所の代表者)」です。

以下の欠格要件、1つでも該当した場合は、許可を取得することはできません。

  1. 許可申請書や添付書類中の重要な事項について、虚偽の記載もしくは欠落があったとき
  2. 破産者で復権を得ない者
  3. 許可取消し処分を免れるため廃業届を提出し、その届出から5年経過していない者
  4. 建設業許可を取り消されてから、5年経過していない者(自主廃業の取消を除く)
  5. 営業停止を命じられて、その停止の期間が経過していない者
  6. 禁固以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わってから、または刑の執行を受けることがなくなった日から5年経過していない者
  7. 建設業法、建築基準法、刑法など一定の法律に違反して罰金以上の刑になり、刑の執行を終わり、または執行猶予期間が満了してから5年経過していない者
  8. 暴力団員や暴力団員でなくなってから5年経過していない者
  9. 暴力団員がその事業活動を支配する者
  10. 心身の故障により建設業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定めるもの(成年被後見人、被保佐人は、希望すれば医師の診断書による個別審査を受けられる)

欠格要件の確認は、「誓約書」と証明書類の提出で審査されます。
ただし取締役ではない相談役、顧問等、5%以上の個人株主は、証明書類の提出は不要です。
証明書類は、以下のとおりです。

  1. 登記されていない証明書
  2. 法務局が発行する成年被後見人および被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書

  3. 身分証明書
  4. 本籍地の市町村長が発行する成年被後見人または被保佐人とみなされる者に該当せず、

    また、破産者で復権を得ない者に該当しない旨の証明書

行政庁は公安当局に個人情報を提供し、暴力団員がいないか照会をします。
新規申請だけでなく、業種追加、許可更新や役員追加の変更届でも実施されます。

5.建設業の業務を行う「営業所」はありますか?

建設業を営むには、常時建設工事の請負契約の締結ができる「営業所」が必要です。
営業所の要件は、各都道府県により違いがあります。

大阪府では、以下の要件になります。

  1. 事務所など建設業の営業を行うべき場所を、常時使用する権限を有していること
  2. 建物の外観又は入口等において、申請者の商号又は名称が確認できること
  3. 固定電話、事務機器、机等什器備品を備えていること
  4. 許可を受けた建設業者にあっては、営業所ごとに建設業の許可票を掲げていること
  5. 支店等の代表者が常勤しており、かつ契約締結等に関する権限を申請者から委任されていること
  6. 専任技術者が営業所に常勤して、専らその職務に従事していること

建設業を取り扱わない営業所は、「営業所」に該当しません。
単なる連絡事務所や、登記上のみの本店などは営業所にあたりません。

届出をしている営業所以外は、許可業種以外の営業はできません。

6.「社会保険」に加入していますか?

2020年10月から施工された改正建設業法で、社会保険の加入が許可の要件になりました。
社会保険とは、「健康保険」「年金保険」「雇用保険」です。

法人か個人、常用の労働者数、就労形態により、加入すべき社会保険が異なります。

社会保険

出典:国土交通省

法人の加入すべき医療保険に「適用除外承認を受けた国民健康保険組合(建設国保等)」があります。
個人事業として建設業をされていた事業主さんが法人成りをした時に、年金事務所に手続きをすることで建設国保などに引き続き加入することが出来る制度です。

  1. 法人を設立した日から5日以内に、「厚生年金被保険者資格取得届」を提出すること
  2. 法人を設立した日から14日以内に「健康保険被保険者適用除外承認申請書」を提出すること

ちなみに年齢による、被保険者期間は次のとおりです。
健康保険の被保険者は、75歳未満です。
厚生年金保険の被保険者は、70歳未満です。

社会保険に加入しておかないと、新規許可及び更新申請をすることはできません。
また公共工事で社会保険未加入業者を下請で使ってしまうと、元請業者が指名停止処分を受けて入札に参加できなくなります。

7.まとめ

うなずき

建設業許可を取得するのに、
必要な要件をまとめてみました。

  1. 施工管理を適切に行うために、経営実績のある「経営業務の管理責任者」が必要となる。
  2. 許可業種の専門的な知識を有する必要があるため、営業所ごとに「専任技術者」が必要となる。
  3. 発注者保護の観点のため、財産的要件をクリアしていること。
  4. 誠実であり、経営陣に欠格要件に該当するものがいないこと。
  5. 要件をクリアした建設業の業務を行う、営業所があること。
  6. 社会保険に加入していること。

建設業許可手続きは、複雑な要件がクリアする必要があります。
要件は多くの疎明資料で、証明する必要があります。

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