生命保険金の遺産分割について

保険証券

生命保険の契約者が亡くなると、受取人を相続人の一人に指定していた場合は、受取人固有の権利として発生します。
そのため遺産には含まれず、遺産分割協議の対象にはなりません。(1965年2月2日最高裁判決)

生命保険の受取人を「相続人」としていた場合、特別の事情が無い限りは法定相続分の割合で固有の権利として請求権を取得します。
また生命保険金は遺産ではないため、遺産分割減殺請求の対象にはなりません。

そして、生命保険金は特別受益として持戻しをする必要はありません。
2004年10月29日最高裁判決では、原則として持戻しをする必要はなく、保険金の額や遺産総額との比率、受取人と被相続人の関係などを総合的に考慮し、到底認めることができないほどの不公平が生ずるなど特別の事情がある場合に限り、例外的に持戻しを認めるべきだとしています。

生命保険を使った相続税対策について

生命保険は、まとまった現金が手に入るため使い勝手よく、柔軟に使えます。
相続発生後、1か月程度で保険金が振り込まれますので、遺族の生活資金として利用できます。 預貯金のように凍結される心配もなく、納税資金に困らずにすみます。

相続財産に預貯金の割合が多い場合、生命保険に加入して保険料を支払えば、相続税の課税財産を減らすことが出来ます。
生命保険金も「みなし相続財産」として課税対象になりますが、相続人1人あたり500万円の非課税枠が設けられており、相続税対策として有効です。
例えば、法定相続人が4人いる場合、非課税枠は500万円×4人で2,000万円です。

ただし、被保険者が誰か、誰が保険料を支払うか、誰が保険金を受け取るかによって、相続税の対象になる以外に、贈与税や所得税の対象になることもあります。
また中高年になってから生命保険に加入する場合は、掛金が高額になります。
生命保険の種類、内容、払込金額、受取金額について、よく確認する必要があります。


税金の種類

契約者(支払者)被保険者受取人税金
契約者と被保険者が同じ
妻や子
相続税
契約者と受取人が同じ
所得税+住民税
全て人が異なる
贈与税

事業承継の対策

会社の経営権は、「株式」という形で資産になります。
何も対策をしていない場合、親が有していた株式が複数の子に分割されて相続されてしまうという事態になりかねません。 そうすると、経営者の跡継ぎになる子が、思うような経営が出来なくなってしまいます。

その対策として、遺言で事業を引き継ぐ子に、事業の継続に必要な資産を全て相続させるようにしておくことです。
しかし他の相続人に、遺留分の問題が発生します。
また公平性を欠く遺言を書くことで、家族の中が険悪になることも考えられます。
この問題を避けるためには、他の相続人が納得するだけの財産を残すことができるかが重要です。

そこで、生命保険を事業を継がせたい子に受取人として指定することで、他の相続人へ代償金として支払うことができます。
気を付けるべき点として、他の相続人を受取人にしないことです。
生命保険は遺産分割の対象にはならないため、生命保険を受け取った相続人は保険を除外して、遺産分割を求めてくるためです。





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