「遺言執行者」を指定していない遺言書だったら?

職務

2020/2/12 更新

遺言書を作成したけれども、その書かれた内容を実現させる人は誰でしょうか?

自筆証書遺言であれば、まず検認の手続きをしなければ、相続手続きをすることは出来ません。
検認の手続きをする方は、遺言書の保管者もしくは遺言書を発見した相続人です。

金融機関の相続手続きでは、自動的にお金を振り込んでくれるわけではありません。
特定の相続人が銀行の預貯金を相続する旨の遺言書があっても、銀行の独自ルールにより「他の相続人全員の同意による実印と印鑑証明書をください」と要求される場合があります。
そうなると相続人の中に、手続きを協力してくれない人がいると、預貯金の相続手続きができません。

ましてや内縁の妻など相続人ではない人が財産をもらう「遺贈」では、「もらう人」のみの手続きでは出来ません。
「もらう人」と「渡す人」の協力が必要です。
「渡す人」の被相続人は亡くなっているため、原則では相続人全員が「渡す人」になります。

相続人が協力してもらえる見込みがない場合、「遺言執行者」を選任することで、手続きをしてもらうことが可能です。
家庭裁判所に申し立てをして、遺言執行者を決めてもらう手続きを行います。

遺言執行者は相続発生後に選任することも可能ですが、手続きの面倒さなどを考慮すれば、あらかじめ遺言書内で選任しておいた方が安心です。
遺言執行者は遺言者の意思に従い、遺言書の内容に従う職務を負うため速やかに遺言書の内容を実現することができます。


遺言執行者は、2019年7月1日の法改正で通知義務が明確化されました。
任務を開始した場合、相続人に遅滞なく遺言の内容を通知する必要があります。

また、遺言執行者は単独で、登記申請ができるようになりました。
相続人と連絡が取れなかったり、相続人が判断能力を失っていても、遺言執行者は単独で登記ができます。

そして今回の法改正で、遺言執行者に預貯金の払戻し請求等ができることが明記されました。
以前は金融機関ごとに遺言執行者が指定していても対応が異なっていたため、トラブルになる事例があったため、より強力な権限を持つことになりました。


ただし金融機関の内部ルールにより、具体的な職務が明記されていない場合は、相続人の同意を要求される場合があります。
遺言執行者の指定と合わせて、「権限の記載」も入れておくと安心です。
権限の記載は、遺言者の有する財産に応じて、必要な内容を記載します。

第〇条 遺言者は、遺言執行者として、岩田眞(昭和四六年一月一日生、
住所 大阪府吹田市広芝町四番三四号 江坂第一ビル六階三号 職業 行政書士)を指定する。

第〇条 前条記載の遺言執行者は、遺言者名義の預貯金の名義変更、払い戻し、解約、遺言者名義の不動産の名義変更、遺言者名義の証券口座の名義変更、解約、有価証券の換金、貸金庫の開閉、解約、内容物の受領その他本遺言を執行するための一切の権限を有する。なお、遺言執行者は各手続き又は行為をするにあたり、相続人の同意は必要としない。

第〇条 前期遺言執行者への報酬は、遺言執行時の遺言者の有する財産の評価額合計の〇%とする。

遺言執行者の報酬は、遺言書で指定されている場合には、その内容に従います。
指定されていない場合には、遺言執行者と相続人や受遺者との間で協議し、合意できた場合には相続財産から報酬額を控除するという方法になります。


遺言の執行前に遺言執行者が亡くなった場合を想定し、次の遺言執行者を指定しておくとより安心です。
複数の遺言執行者を指定することもできますが、1つの行為を行うごとに、執行者過半数の同意が必要になるため手続きが煩雑になります。





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